パン と 風景 2
仙台市内のパン屋さんのリノベーションです。
元々は8坪で始めたパン屋さんが、手狭になり大きな場所に移転するという計画です。大きなガラスの開口部を生かし、大きなカウンターを置き、手作りのパンが美味しそうに見える事を大切にしました。パンの粗熱をとり美味しさを保つために、パンチングを施した特別なステンレスカウンターとしました。
ガランとした倉庫のような空間の真ん中に入れ子状のハコを配置し、売り場と作業場、その間の厨房の3つのパートに分けました。売場は、床のコンクリートを削り出したり、天井の鉄骨を塗装し、元あった倉庫のような魅力をミニマムに引き出しました。その背中には、古い赤レンガや、ビンテージガラスを使ったステンドグラスで新たなファサードを作り、その有機的なファサードを無機質なステンレスの厨房空間がザックリとボリュームをえぐり取るような開口部を持つデザインとしました。外から見ると、幾つものレイヤーがかなさるような見え方になっています。(このデザインの中には、パン屋の名にもなっている『黄金比』がいくつも潜んでいます。)
道沿いからディスプレイされたパンを売っている様子や、パンを焼いている作業の様子が見えます。パンが織り成す魅力の詰まった新たな風景となりました。