街とアートの関係性を考える
仙台市内の青葉通りの好立地に建つ築40年の賃貸物件のリノベーションである。
東北リサーチとアートセンター(通称TRAC/トラック)は、仙台や東北の歴史・資源・課題などを調べ、アートや表現につなげる活動と交流のための拠点として、せんだいメディアテークが地域で展開するアートプロジェクト「アートノード」事業の一環として展開していくための施設である。
ギャラリーとしての、平滑な壁面、可変性のある照明を作りながら、アーティストとコミュニケーションを測るダイニングキッチンスペースや、アーカイブとしての書庫や倉庫、アートを作りながら駐在するワークスペースの設えを整えるようにした。
仙台の街とアートの関係性を近ずけてくれそうな、小さくも大きな試みに、胸が踊る場所が生まれた。
「立ち上がりの技術01 語り野をゆけば/つくる手さぐる手かきわけて」
瀬尾夏美さんや小森はるかさんたちが立ち上げた、記録と表現とコミュニケーションのための一般社団法人NOOKの出版レーベル”野尾久舎”の1冊目。 TRAC(東北リサーチとアートセンター)で2017年度に開催したふたつの展覧会の記録集です。
人はなぜ語るのか?を問いに3人の語り手への人生史をひもとく「語り野をゆけば」、“障害のある”5人の作家たちの表現の背景をインタビューや資料をもとにひらく「つくる手 さぐる手 かき分けて」。
展覧会に協力した語り手の方々の言葉や資料、作家たちの作品写真やその制作背景、企画チームによる論考や関連イベントの記録、専門家による寄稿など、盛りだくさんの内容が詰まっています。
執筆:佐藤正実、山本唯人、柴崎由美子、津口在五 / 佐竹真紀子、中村大地、小森はるか、磯崎未菜、瀬尾夏美(以上、NOOK)
編集:高橋創一、瀬尾夏美(NOOK)、細谷修平(NOOK)
188×116mm、224ページ、カラー/モノクロ、ペーパーバック、2019年。
- data
TRAC 東北リサーチとアートセンター
基本情報
- 所在地
- 宮城県仙台市
- 主要用途
- ギャラリースペース
- 主体構造
- 鉄筋コンクリート造
規模
- 延床面積
- 137.21㎡
工程
- 設計期間
- 2017年1月~2017年2月
- 工事期間
- 2017年3月
敷地条件
- 特になし